私は日々、長崎港を目の前に臨むシンクタンクで静かに世界・日本・長崎県のことを考え、仕事しています。人間はこんなにも育った環境に戻るのかと思うほど、静かな日々を送っています。私は小学校5年から奈良市に住むようになり、大宮小学校からほど近い平城京に土器の破片を拾いに行ったり、夕霧が漂う平城山の古墳群を散策したり、東大寺や興福寺の境内や阿修羅像のまわりで遊んだり、伸び伸びした少年時代を送りました。三重県の答志島やカリフォルニアのサンタモニカやブラジルのコパカバーナ以外美しい海を見たことがほとんどなかった私にとって長崎の印象は衝撃的でした。海は美しいが恐ろしいということも、合併前の崎戸町の江の島に、3.5メートルの波の中をトビウオのように町営船で渡った時に感じました。長崎の静けさは自然や景色だけでなく、奈良とは違う和華蘭文化にあります。奈良は仏教・神道色が強く歴史と権力の重みを感じる街ですが、長崎は小さい街の中に神道・仏教・キリスト教が同居している「祈り」の街です。原爆が投下されたこともその感を強くさせているのかも知れません。奈良と長崎をつなぐ物に「NH」の文字が入った洋皿があります。かつて長崎には居留地文化を開花させた「長崎ホテル」がありました。このホテルがなく無くなる時、洋皿を同じイニシャルを持つ「奈良ホテル」に譲ったといいます。奈良ホテルは旧館が興福寺大乗院を活用したもので、皇室もお泊りになる格式の高いホテルです。このように静かに仕事ができるのも、インターネットで国内外の公式情報が簡単かつ瞬時に入手できるようになったこともあります。もちろん東京で人からしか入らない情報を入手することも重要ですが、若い時のように多忙を極める生活ではなくなりました。時々両親の実家のある奈良に帰りますが、40年前とあまり変わらない風景が残っているのも、ほっとできる要因です。東京の自宅も都心とはいえ新宿御苑と明治神宮に挟まれた左門町という静かな街にあるので、長崎・東京・奈良で、今後も静かな生活を続けたいと思います。
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