過去の遺産と成長戦略

10月12日(日本時間早朝)、ギリシアの欧州各国による救済が合意されました。欧州各国の財政悪化はギリシアにとどまらず他国に波及し、今後約2年間にわたって続く可能性が高く、経済成長が実現できない場合、更なる円高(1ドル=45~50円程度)の可能性も十分あると思います。破たんは免れましたが、今回のギリシア問題で明らかとなったのは、財政再建・行政効率化を図ることの難しさと重要性以外に、一国の産業戦略を決めて実行することの重要性だったと思います。ギリシア経済は観光産業に大きく依存しており、世界経済の後退時には、その影響をまともに受けるので、脆弱です。東日本大震災・原発事故後我が国への観光客が激減したことを見ても、人は自由に動けるだけ、影響も受けやすいと言えます。観光にしても、新たな資源を発掘し情報発信することが必要で、古代からの過去の遺産だけでは限界があります。私が日本ホスピタリテイマネジメント学会や国際観光戦略研究所に関与しているのも、観光立国を成功させるために、地域の観光資源を世界に情報発信していくことが重要だからです。国家として、「モノ作り」(製造業)と「サービス」(観光・福祉・IT産業等)をバランス良く発展させていくことが必要ではないでしょうか。安定的成長産業を幾つか育成し、「成長戦略」を実際に実行することが必要です。若い世代が希望を持ってこの国に暮らせるように、官民で経済運営をすることが必要です。この点でギリシア問題は他人事ではありません。そして各地域でも安定的な成長戦略が求められています。

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