見た目簡素ではあるが、手の込んだ日本料理を味わいました

5月16日、食道楽の街大阪で、ある経営トップの方々と、食事をさせていただきました。「慶喜(よしのぶ)」(代表者は石橋慶喜氏)というお店で、京都の懐石料理とはまた異なり、全国の選りすぐりの食材を、素材とは全く異なった形に整え、食べる者に新鮮な驚きと感動を与える料理です。例えば画像の左上の前菜に出された青森の「水雲(もずく)」は、しゃきしゃきした歯ごたえが堪らなく、長崎県平戸の水雲とは種類が違うそうです。真ん中の茶色は鱧(はも)の身をすり潰して作った天ぷら(長崎ではかんぼこ、東京ではさつま揚げ)、その右の黄色はトウモロコシをすり潰して巻いて焼いた卵焼きのようなもの、といずれも素材の味を壊さず、形だけを変えて彩(いろどり)豊かな演出をしているので、最初驚き、後で美味しさを楽しませることを狙っていると思います。まるで、料理人と客人とが料理を挟んで対局しているような緊張感があります。その後も石鯛の刺身と翻車魚(まんぼう)の腸の湯引きを、モンゴルの岩塩をおろし金で削って頂くなど、手が込んでました。翻車魚は、長崎県平戸市生月(壱部漁協)で昔から漁師間で食べてしまう習慣があって、私も同漁協から、ゼラチン状の身をクール宅急便で送っていただいたことがあります。その時、どう料理して食べてよいものかわからず、長崎にある川島学園(料理学校)の川島明子先生に持参して聞きに伺ったことがあります。また、腸の湯引きの代表格は鯨(くじら)の腸を開いて加工した珍味「百尋(ひゃくひろ)」で、こちらは長崎で開発された商品です。日本料理は、素材→調理→見せ方と何度も楽しむことができて、奥が深いと思いました。大阪はかつて「天下の台所」と言われ、全国から豊富な食材が来る豊かな街です。料理のアイデアを考える仕事は大変だけど楽しいだろうなと思いつつ、ひたすら目・鼻・舌・口・手をフルに動員して食事をいただいていました。(笑)

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