災害と住む場所

私は若いころから、地理や地図が好きで災害と住む場所に関心を持ってきましたが、長崎から東京に行くたびに「大地震があってほしくない」と思います。特に、昨年3月11日の東日本大地震と津波、その後も続く余震(東京でも感じる)を見ると、怖さが先に立ってしまいます。昔の方々は「どこに住むか」を良く考えていたのだなあと感心させられることが多いです。東京のみならず、地図や地名を見ると、その土地の過去が解ります。今は川や池を埋め立てて人が住んでいても、地名はごまかせないのです。東日本大震災後の高台移転を昨年4月上旬に岩手県・宮城県知事(および県庁)に提言し、専門誌にも提言書「東日本大地震からの復興に向けた長崎からの提案」を掲載させていただきましたが、あくまでも自然にできた高台を活用すべきです。5㍍程度の盛土の上に新しい街を形成する案が出されているようですが、海に近い平地に「盛土」することは望んでいません。神奈川県などの丘の上の住宅地に住む危険性を感じて来たからです。本年1月に谷川彰英先生(元筑波大学副学長)の「地名に隠された東京津波」という本が出されました。「地図おたく」の私には同じ問題意識の本で、災害に興味のある方は是非一読をお勧めしたいと思いますが、巨大災害には自然災害の面と人災の面があることにも触れています(影響が大きいのでブログでは紹介しませんが)。私の東京の自宅は四谷の左門町にありますが、谷川先生の本によれば、「御府内備考」の「四屋」から転じた地名で、「内藤新宿」(最近NHKの「ブラタモリ」でも紹介されていた)と言われた新宿御苑(内藤清成の屋敷跡)と明治神宮外苑に挟まれた標高20㍍以上の高台で、仮に関東大震災級の地震と10㍍の津波があっても地盤に問題はないそうです。

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