国際金融市場の安定は持続するか

11月30日の日米欧6中銀によるドル資金供給協調により欧州債務危機を発端とする金融システム不安が12月1日以降和らいでいます。日銀の白川方明総裁が「時間を買う」措置とおっしゃるように、当面の銀行の資金繰りを支える効果はあり、リーマン破たんの影響が大きかったことから、今回も金融機関の破たんを防止することによりシステムリスクを回避するという措置を打たざるを得なかったと思います。中国の預金準備率0.5%引き下げが、経済減速によりインフレ抑制の必要性が薄れたため、2008年12月以来、3年ぶりに行われたことも、今後の景気後退を回避する政策の現れだと思います。暫くの間、歴史は繰り返し、金融緩和による国際商品・株式等資産価格は安定すると思いますが、欧州債務危機の根本問題が解決されない間は、再び歴史は繰り返し、欧州を中心とした景気の低迷→各国の財政悪化を引き金とする格下げ→各国金融機関の資産劣化・不良債権増大→金融財政システムリスクの高まりが今後1~2年続く可能性が大きいと思います。人間は地震対策・原発事故対策・金融システム不安と、こんなにも同じ間違いを繰りかえすものかと思います。人間には「ナレッジ・マネジメント力」があっても、記憶に限界がある「適度に忘れる」ためでしょうか。あるいは理性より感情により左右されるためでしょうか。

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