東京都市場問題PT第11回会議に出席~豊洲市場の土壌汚染について+まとめ

8月4日午前11時~12時半、東京都市場問題PT第11回会議がインターネットテレビ中継・マスコミ公開の下で開催され、専門委員として出席しました。テーマは「豊洲市場の土壌汚染について」であったので、技術面の発言は差し控えさせていただきましたが、次の2点について、意見を申し上げました。

第一に、地下水管理システムの運用に関し、地下水位管理を「AP+1.8」の水準とすることが行われていますが、実際には守られていない地点が多く、その原因が、台風や大雨時の雨水の流入による水位の上昇であることが分かった。それであれば、水位管理を通常時と異常時(台風・大雨時等)に分け、水位基準を設けて管理することが必要であること

第二に、豊洲市場用地は法律的に安全・安心であり、「安全宣言」は不要であるが、今後も管理を行うことが必要であり、PDCA管理が望まれる。その際に、情報発信側と受信者側の情報ギャップを、科学的事実の説明を中心に、できるだけ解消していくコミュニケーションが求められ、直接の説明会・ネット配信・マスコミ活用など、手段を工夫することが必要となること、このような努力により、風評被害は時間がかかっても解消に向かうこと、議会や住民に対する「説明の技術」が市場問題のみならず地方自治体の事業にとって今後さらに求められること、

を意見として申し述べさせていただきました。

思えば、小池都知事が就任され、2016年8月に市場問題PTが開始されてから、1年になろうとしています。私は、経営・経済の専門家として、市場会計・流通機構・民間的経営手法等の面で意見を申し上げ、小島座長や他の専門委員とともに、「豊洲移転案+築地改修案」のシナリオをPTとして提案してきました。経済合理性や現実の市場経営面からだけでなく、様々な意見の集約を経て、この記述に至りましたが、これを具体的に実行する際や、今後の市場管理に更なる知恵と実行力が求められることは言うまでもありません。特に卸売市場の経営管理については、第一次報告書にも盛り込んできた通り、新しい組織・経営人材・民間経営発想への転換が必要になります。多くの課題を残してはいますが、一定の方向性を明確に示すことができたと思います。4日の議論を整理し、第二次報告書としてまとめるとともに、知事に報告し、市場問題PTは終結となります。

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