半生を振り返ってみる~「少しだけ無理をして生きる」

2月27日、壱岐市観光振興計画策定委員会から長崎に戻る際に、じっくり読みたくても読めなかった本の一つ城山三郎氏「少しだけ無理をして生きる」を読みました。これは、私がアナリストとして3年前から特に注目してきた成長企業100社の一つ、テンプホールデイング㈱の水田正道社長が2月10日紹介していた本で、初出段階で読んだ経験のある収録本です。この中の「少しだけ無理をしてみる」は、作家は多量に書いていると消えていき、遠藤周作を例に引きながら、「少しだけ無理な状態で書いているからそれなりの量を書けるし、作品にも幅が出るし、作家としての成熟も出来るのです。」「少しだけ無理をしてみるーこれは作家に限らず、あらゆる仕事に通用するテーゼではないでしょうか。」というくだりがあります。この本には、「自ら計らわず」という短い論稿があります。対照的な生き方をした、広田弘毅と吉田茂を比較して、「閨閥もなく、自ら計らうこともなかったにも関わらず、広田は吉田よりも早く外務大臣になり、総理大臣になっていきます。」戦争犯罪を問われた裁判で、「ほとんどの人が広田さんは無罪になるだろうと見ていたのに、判決は死刑でした。」「広田さんは自分が死刑になることで天皇をかばおうとした。そうすることで、いわば戦後日本の出発を、一身に引き受けようとしていた。」人間には時代の流れの中で置かれた立場により、自分ではいかんともしがたい局面に立たされることがあります。そのときに「自ら計らわない」生き方が出来るかどうかにより、真価を問われることがあると思います。自分の半生を振り返り、中間段階で「悔いの無い人生を送ってきたか、残りの人生をどう生きるか」を考えることも、また重要ではないかと思います。(画像は長崎市心田庵にて。2013.11.24撮影。静かな時を過ごし、考える。)

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