飛行機で読んだ1冊④~日本人とユダヤ人の違いを考える

1月は、東京都との行き来が多く、飛行機の中で仕事をすることもありますが、最近、ラビ・マービン・トケイヤー著の「ユダヤ5000年の教え」を読みました。ユダヤ人は歴史の中で、シェークスピアの「ベニスの商人」として扱われたり、ナチス・ドイツから迫害されたり、民族の受難を受けているイメージがありますが、私がアメリカの大学院で友人だったユダヤ人は、理論的で調査好きというイメージがありました。実際に、シカゴ・ハーバード・プリンストンを含め名門校の教授や金融界・政界・医学界に多くのユダヤ人が活躍しています。26歳の時、ビジネススクールで、チームによる「ビジネスゲーム」(経営戦略を学ぶために、コンピュータソフトを使って事業をチームの戦略に沿って進展させていき、最終的な収益を競うゲーム)で、日本人チームとユダヤ人チームと南米人チームなどが競ったことがありました。南米人は決断が早く、ユダヤ人は理論的で経営環境調査を可能な限り行うが結論を出すまでに時間がかかり、日本人はユダヤ人同様理論的ですがグローバルな環境認識に弱く最後は感性で結論を出すという特徴がありました。これは優劣の問題ではなく、民族の性格の問題かも知れません。ユダヤ人の友達に聞くと、子供の時から毎週土曜日に家族でユダヤ経典の解釈を巡って議論をしているそうです。そして、今回、この本を読んで、謎の大半が解けました。ユダヤ人も日本人と似て、「知恵と知識の民族」だったのです。両者の違いは、「最後に残るのは教育」という考え方でした。多くの危機に直面して、持って逃げられ、迫害を受けても決して奪われることがないのは土地などの財産ではなく「教育」なのです(この点は中国人華僑と似ています)。旧約聖書をベースとした「教え」が民族に脈々と今も流れていることを、この本は具体的に教えてくれます。

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