飛行機で読んだ一冊⑩「カーネギーとジョブズの人生を拓く天国の対談」

5月11日夜、羽田から長崎に移動する飛行機で読んだのが、永江誠司著「カーネギーとジョブズの人生を拓く天国の対談ーアドラー哲学を実践して得た100の金言」でした。1888年生まれのカーネギー(自己啓発の技法開発者)と1955年生まれのジョブズ(アップルの創業者)との間には、67年の開きがあり、それぞれに経験に基づいた名言集が出されていますが、もしこの二人が対話するとどうなるか、仮想論議を書いたのがこの本です。この二人の人生訓・成功法則は極めて似ていて、それを100項目にわたり比較しながら書いています。しかし、二人の考え方には異なった部分も当然あって、例えば「聞き上手であれば話下手でもよい」という項目では、カーネギーが「いい会話者とは聞き上手の人である」と言っているのに対し、ジョブズは、「激しい議論を通して創造性が刺激され、いい製品が生まれる」と述べています。これは突き詰めると言い方が異なるだけなのですが、二人の職業の違いや年齢の違いを反映していると思います。私は、大学でMOT(Management of Technology)の講義の際に、ジョブズの「スタンフォード大学卒業講演」を読んで、学生に「イノベーション」とは何かをレポートしてもらっていますが、様々な逆境を乗り越えた人間の言葉には「知恵」と「勇気」が詰まっています。「人間は失敗からしか学べない」(ジャック・マー「長崎大学講演」)ことは事実ですが、全てを経験することはできないので、カーネギーやジョブスの経験から生まれた言葉は貴重なのです。

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