理想的な福祉施設を目指して

日本は今後高齢者の介護をどこで行うのかという大きな課題に直面すると思います。自宅で家族が面倒を見きれるのかどうか、アンケート調査では、親は自宅で最期を迎えたいと考える一方、子供は親を自宅で介護するという状況ではないのが実態です。私はアメリカの高齢者向け住宅が一つの参考になるのではないかと考えています。すなわち、アメリカには現在の住居・地域をベースにしたaging in placeという考え方が根底にあり、サポート付き住宅(食事・送迎・ハウスキーピング・身体ケアなどのサービスが付いた集合住宅)が必要だと思います。特に、CCRC(Continuing Care Retirement Community)は、コミュニテイ内で介護・看護・医療サービスを継続的に行っており、高齢者は、自立して生活できる段階から、看護・介護サービスが必要な段階、人生の終末まで、住み慣れた同じ場所のコミュニテイ内で生活できるようになっています。これは、もともと民間のNPOが中心として発展させてきたもので、レストラン、ハウスキーピング、ガーデニングなど日常生活支援のサービスが充実しており、社交・趣味・文化的行事への参加機会も多く用意されています。私は、日本にもこれに近い経営を目指す施設が現れる可能性が大きいと思います。アメリカのCCRCが様々な所得階層を対象とする施設があると同様、日本でも多様な施設が現れることが、世界で最も急速に高齢化が進む国として必要ではないかと思います。長崎県の施設に全国から良好な環境と上質のサービスを求めて高齢者が入所してきている実態を考えると、長崎県がこのような施設で高齢者を受け入れるのも一つの考え方かと思います。

カテゴリー: 友人   パーマリンク

コメントは受け付けていません。