ハーバード大学には昔から、professhional school として、大学院レベルに医学校(medical school)と経営大学院(management school)と法律学校(law school)があります。アメリカではacademicな学部とは別に、専門職業人を育成するためのこれらのprofessional schoolがあり、実践的な訓練が行われてきました。私は若い時、シカゴ大学のmanagement free electronic cigarettes school で学ぶ機会を得ましたが、経営戦略・マーケテイング・最高意思決定・組織論などの深い理解には、case studyが欠かせないと考えて来ました。実際に経営コンサルタントの仕事や経営者・社外取締役・経営顧問など経営に携わる仕事をしていると、戦略コンサルにしても、将来を予測して「成功する経営戦略」を策定することがなかなか容易ではないことがわかります。それでも、過去の類似例(成功・失敗両方ある)も参考にしながら、できるだけ成功に導く戦略を策定するよう努力し、これまでは顧客(client)に満足していただけるような結果をもたらしてきました。このように、case studyは成功・失敗要因の重要な示唆を与えてくれますが、一定の状況下で成功した事例であることも忘れてはなりません。旭山(あさひやま)動物園は地理的ハンディを逆手にとって「日本最北の動物園」にしかなしえない「ペンギンのお散歩」「白熊の泳ぎ」などの独自の「演出」を行ったからこそ成功しました。成功事例には成功の秘訣が隠されています。また、経営戦略は、ただ作るだけではだめで、策定時点ではベストであったとしても、「生き物」である経営に対して「実行(implementation)」を行わなければなりません。私は医学の専門ではありませんが、経営コンサルの分野と比べて医学は診断・治療・予防についての科学的研究が進んでいるのではないかと思います。人の命が掛かっているから「失敗」は無い方がいいと思いますが、医師が判断に迷う難しい診断・治療などもあるのではないかと思います。私は中学・高校のころ医師になりたいと思っていましたが、目が不自由で手術や実験ができないと言われ断念した経験があります。しかし、人の命を預かる医師にならなくて(なれなくて)よかったと思う時もあります。経営の先を読んで「必ず」成功させることは難しいかもしれませんが、経営コンサルタント(あるいは政策形成を一緒に行うシンクタンカー)としての役割は、case studyを含む現実の直視・分析診断と経験を積むことによって初めて果たすことができるのではないかと思います。外部専門家として、一つ一つの案件を大切にして、経営者とともに成功へと導きたいと思います。(画像は長崎中学校から見た長崎港の風景。長崎には商人の才覚を働かせてこの港から世界を相手に貿易を展開した歴史がある。)

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