2013年元旦に思う~「脱デフレ」から将来の日本を切り開く質の高い成長戦略国家へ

元旦は朝から快晴で、自宅近くの須賀神社に初詣に行きました。今年は10月に第62回伊勢神宮の式年遷宮が予定されており、過去20年間続いた「米の坐(よねのくら)」から今年からの20年間の「金の坐(かねのくら)」に移ります。これは「凶」の20年間で、政治は外交が中心となり、過去の歴史を見ると、騒乱・戦争といった動乱が起こりやすいとされています。私は「平和な時代が経済を良くする」と考えてきましたが、過去20年間は経済が大きな成長を見せない中でデフレが続いてきたので、今年からの20年間は「脱デフレ」すなわち、動乱の中で「外需・内需」が「インフレ」を誘発するという考え方もあると思います。昨年12月から兆候が見える「円安がインフレを招きかねない」ということは輸入物価の上昇を通じて起こりますが、「インフレが更なる円安を招く」という点もあり得ることで(物価上昇は通貨価値を下落させる)、資源価格が上昇し、更なるコストプッシュ・インフレを起こすというのが、これまでの経済の常識でした。同時に金利上昇が見られ、コストの製品への価格転嫁をしやすくなり、企業収益は増加するというのが、景気循環の通例でした。消費税率8%への引き上げだけでも消費者物価を2%程度引き上げる効果があるので、これの2%程度のインフレターゲット目標が設定され、景気拡大が起こって目標を達成すると、物価は4%程度上昇することになります。金融緩和と拡張的財政の組み合わせ(ポリシーミックス)で景気拡大・物価上昇・金利上昇は可能となります。シカゴ流のマネーサプライ重視の金融緩和は日本の場合、まだ効果があり(米国・EUは限界に近づいている)、拡張的財政は復興需要と日本最後のインフラ整備(修繕・更新需要対応)と成長戦略(医療福祉・ライフサイエンス分野・環境分野)に使えば、景気は拡大すると思います。大きな課題は「適度のインフレ・金利上昇」です。日本の国力が低下する中で、高齢化する国民(年金生活者が増加)がインフレに耐えられなければなりませんし、長期金利上昇により増加する公債の利払いに耐えられる財政にしなければなりません。そのためには、日本の応用技術・研究開発・サービスの質の高さを活かす「成長戦略」が求められており、その前提となる年齢を問わない「人材の活用」と「教育」が不可欠だと思います。(画像は東京都新宿区・須賀神社の元旦の茅の輪くぐり)

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