少子高齢化と流通業~オーバーストア解消と都心回帰が必要

5月3日・4日連休を東京の自宅で過ごして4日夜長崎に戻りました。自宅近くの新宿やアジア人のメッカになっている銀座は、人であふれていました。4月17日に総務省から昨年10月1日時点の人口統計が公表され、NBCラジオの私が出演させていただいている「おはようコラム」でもシリーズで取り上げていますが、日本の人口は前年比26万人(0.2%)減少し、地域別には関東圏・福岡の人口は増加し、その他の都市圏や地方の人口が減少を続けています。各地域でも、都心部への人口移動が始まっており、高齢化に伴って、郊外から医療機関・買い物等に便利な都心部・中心部に人口が集中する傾向は今後も続くと予想しています。高齢者の車運転の危険性を考えると、コンパクトシテイ化は不可避だと思います。行政がこのような構造変化に対応するのは当然ですが、民間企業、特に消費者を対象にする流通業・サービス業等は変化への対応を急がないと、企業の発展もないし、大きなリスクを負うことになると思います。特に小売業は、消費金額自体の減少幅は小さいですが、商業床面積が増加して来てオーバーストア状態が続いて、百貨店・GMS(General Merchandising Store)から、SPA(Speciality Store Retailer of Private Label Apparel)等のカテゴリーキラーに売上が大きくシフトしていることは良くご存じのとおりです(百貨店の月坪売上が1990年の半分以下に減少)。しかも、消費地が郊外から都心部にシフトしており、今も郊外出店攻勢をかけるGMSや食品スーパーの出店見直しが必要になると思います。私が依頼を受ける講演でも今後の出店政策の在り方をテーマに要望されることが多く、関心は高まっています。商業施設を誘致したい地方公共団体や、出店攻勢をかける小売業に融資している金融機関も今後は業態選択等慎重な対応を求められます。

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